この画像は、惑星状星雲NGC 6302をとらえたものです。NGC 6302は、形が蝶のようにみえることから「バタフライ星雲」とも呼ばれます。蠍座の方向、約4000光年の距離にあります。知られている中で最も明るい惑星状星雲の一つです。
惑星状星雲は、太陽程度の質量の星の晩年の姿です。年老いて赤色巨星となった後、さらに時間が経過すると星の外層のガスが放出されていきます。中心の星から放射される紫外線が、周囲に放出されたガスを電離して輝いています。NGC 6302の中心の星は25万℃もの高温で、ガスや塵の円盤に囲まれています。
この画像はESO(ヨーロッパ南天天文台)ラ・シヤ天文台にあるデンマーク1.5m望遠鏡で撮影されました。赤、青、緑のフィルタを使って撮影した画像を合成したものです。2009年12月3日にESOから公開されました。
なおNGC 6302については、アストロピクスでは過去にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像を掲載したことがあります。
Image Credit: ESO/IDA/Danish 1.5 m/R. Gendler, A. Hornstrup and J.-E. Ovaldsen
(参照)ESO