スピッツァー宇宙望遠鏡がカリフォルニア星雲(NGC 1499)の一部をとらえた画像です。スピッツァー宇宙望遠鏡は、2020年1月30日にミッションを終了しました。この画像はその5日前、1月25日に撮影された最後のモザイク画像です。
カリフォルニア星雲は、可視光で見たときにアメリカのカリフォルニア州の形に似ていることから名付けられた星雲で、ペルセウス座の方向、約1000光年の距離にあります。可視光は、近くにある大質量星に加熱されたガスから放たれています。
スピッツァーがとらえたこの赤外線画像では、温かい塵が見えています。そのような塵は、近くの星からの可視光や紫外線を吸収し、吸収したエネルギーを赤外線として放射しているのです。画像は3.6μm(シアン)と4.5μm(赤)の赤外線でとらえた画像を合成しています。
この画像の撮影後もスピッツァー宇宙望遠鏡は、ミッション終了前日の1月29日まで観測を行いました。最後の観測は、黄道光に関するものでした。太陽系内には、彗星から放出されたり、小惑星どうしが衝突して放出されたりした塵が漂っています。黄道光とは、そのような塵により太陽光が散乱されてかすかに輝く現象です。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech