ハッブルが赤外線で見たハービッグ・ハロー天体「HH 111」 | アストロピクス

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ハッブルが赤外線で見たハービッグ・ハロー天体「HH 111」

この画像は、「HH 111」と名付けられたハービッグ・ハロー天体をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像です。形成されたばかりの星は、しばしば非常に活動的で、電離したガスを細く高速なジェットとして噴出することがあります。ジェットは、新しく形成された星を取り巻くガスと塵の雲に、時速数百kmものスピードで衝突します。その際に光って見える天体がハービッグ・ハロー天体です。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で撮影されました。WFC3は可視光と赤外線で観測することができますが、この画像は赤外線で撮影した4枚の画像を元に作られた擬似カラー画像です。ハービッグ・ハロー天体は可視光の波長でも光を放ちますが、周囲にあるガスと塵の雲によって可視光の多くが吸収されてしまうため観測は難しくなります。そのためガスや塵の影響を受けにくい赤外線で観測することで、このような画像が撮影されました。

画像は2021年8月30日にリリースされたハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, B. Nisini

(参照)ESA/Hubble