ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた原始惑星状星雲ウェストブルック星雲(Westbrook Nebula)。「PK166-06」「CRL 618」「AFGL 618」などとも呼ばれます。ぎょしゃ座の方向、3000光年の距離にあります。星から放出された、一酸化炭素やシアン化水素(青酸ガス)などの有毒ガスを含んだガス雲が映っています。
太陽程度の質量の星は、年老いると膨らんで赤色巨星になります。赤色巨星の外層のガスが放出され周囲へ広がっていきます。中心に残された星の"芯"からの紫外線を受けて、周囲のガスが電離して輝く天体を惑星状星雲といいます。原始惑星状星雲は、惑星状星雲になる前段階の天体です。星の進化の過程の中で原始惑星状星雲の段階は非常に短いため、天の川銀河で数百個しか知られていません。
惑星状星雲は可視光も発していますが、原始惑星状星雲は温度が低く可視光をほとんど発しません。この画像は可視光と近赤外光の画像を合成したものです。
画像は2011年3月7日にリリースされたESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」の画像です。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA
(参照)ESA/Hubble