この画像に映っているのは、「ガム3(Gum 3)」と呼ばれる色鮮やかな星雲です。南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台のVLTサーベイ望遠鏡(VST)でとらえられました。VSTに搭載されている2億6800万画素の巨大カメラOmegaCAMで撮影された画像です。
ガム3は、いっかくじゅう座とおおいぬ座の間にあるガスと塵からなる星雲です。地球からの距離は約3600光年。
近くにある若い星からの強烈な紫外線が、星雲内の水素原子に当たると、水素原子から特定の色の可視光が発せられます。その色は、この画像では赤やピンクの色合いで見えています。また、星の光が星雲内の小さな塵粒子で散乱したところは青みがかって見えています。
この画像で、最も明るく見えている領域をよく見ると、なんとなく魚のコイのように見えます。そのコイの右側には暗い領域があります。ここは星が少ないわけではなく、奥にある星からの可視光が、広大な塵の雲にさえぎられているため暗く見えています。
画像は2024年6月10日に、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されたものです。
Image Credit: ESO/VPHAS+ team. Ack.: CASU
(参照)ESO