この画像は小惑星帯にある小惑星パラスをとらえたものです。ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLTに設置された観測装置SPHEREで撮影されました。
パラスは平均直径が512kmで、小惑星帯で準惑星ケレス(セレス)、小惑星ベスタに次いで3番目に大きな天体です。ケレスとベスタにはNASA(アメリカ航空宇宙局)のドーン探査機が周回しつつ観測を行なったことがあります。しかしパラスにはこれまで探査機が訪れたことはありません。パラスの公転軌道が、地球の公転軌道に対して傾斜角が大きいため、探査機を送りこむことが難しいためです。
VLTで撮影された冒頭の画像では、左はパラスの北半球、右は南半球が映っています。どちらの半球にもクレーターが多く、表面がまるでゴルフボールのようになっています。
右の南半球の画像の中に、まわりより明るい部分があります。ドーン探査機がケレスで観測した明るい場所は塩だとみられており、画像に映るパラスの明るい部分も塩の堆積物である可能性があるとみられています。
画像はESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として、2020年2月24日にESOのウェブページに掲載されました。
Image Credit: ESO/M. Marsset et al./MISTRAL algorithm (ONERA/CNRS)