火星の「偵察衛星」が北極で発生した霜の雪崩の瞬間をとらえた

この画像には、火星の北極にある層状堆積物の端の断崖にみられた霜の雪崩が映っています。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが撮影した画像です。北半球の春に撮影されました。

画像中央に見えている白いものは、上の方の層からはがれ落ちた二酸化炭素の霜とみられ、断崖を滑り落ちていく途中で撮影されました。幅は20メートル以上あります。

画像を掲載したアリゾナ大学のウェブページによれば、雪崩は北極地域が暖かくなる季節に発生する傾向があり、それは熱膨張によって引き起こされる可能性があることを示唆しているとのことです。

なおマーズ・リコネッサンス・オービターの「リコネッサンス(reconnaissance)」とは「偵察」の意味です。マーズ・リコネッサンス・オービターはその名にたがわず、高解像度で火星の観測を続けています。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2015年8月26日に撮影されたもので、2024年10月20日のHiPODとして紹介されました。

(参考)「マーズ・リコネッサンス・オービター」関連記事

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE