最近形成された直径8mの小クレーターを火星の「偵察衛星」が撮影

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえたもので、比較的最近になって形成された小さなクレーターが映っています。地球と比べると火星は大気が非常に薄いため、地球では大気中で燃え尽きてしまうような小さな天体でも表面まで到達してクレーターを作ります。

画像に映っているクレーターの直径は約8mです。ただ周囲にみられる噴出物は1km以上の範囲に広がっています。場所によって噴出物の色が異なっていますが、これは地下のさまざまな層が掘り起こされて飛び散ったことが原因かもしれません。

マーズ・リコネッサンス・オービターがこの地域を2012年5月に撮影した画像にはクレーターは映っておらず、2016年9月に撮影した画像には映っていました。そのことから、その期間にクレーターが形成されたことがわかります。

このクレーターは、かつてNASAの火星探査車スピリットが着陸し探査を行ったグゼフ・クレーターの東、約300kmのところにあります。

なおマーズ・リコネッサンス・オービターの「リコネッサンス」とは「偵察」の意味です。マーズ・リコネッサンス・オービターはその名にたがわず、高解像度で火星の観測を続けています。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2016年11月27日に撮影されたもので、2024年9月4日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE