沈みつつゆがんでいく満月 ISS(国際宇宙ステーション)から撮影

今日2024年9月17日の月は「中秋の名月」です(ちなみに今月の満月は9月14日ではなく15日)。1年の中で、月に注目が集まる日の一つでしょう。そこで、ISS(国際宇宙ステーション)から撮影した画像をもとに作成した、ちょっと変わった月の動画を紹介します。

この動画は2006年12月5日に南シナ海上空で撮影された一連の画像を使い、編集部で作成したタイムラプス動画です。満月が地球の縁に沈んでいく動画になっています。

動画の最初の方の画像を見ると、まん丸の満月であることがわかります。時間の経過とともに、画面左側から地球の大気層が月に近づいてきます。大気層が月にかかるようになると、まん丸だった満月がゆがんでいきます。月が大気層に入るほど形のゆがみが大きくなっていきます。

光の曲がり方は大気の密度によって異なります。月の光は宇宙空間から地球の大気に出入りする際に曲がり、その曲がり方は大気の密度によって変わります。高度が低いほど大気の密度は高くなるため、月の像がゆがんでしまうのです。

なおアストロピクスでは、一昨年の中秋の名月の際に、上の動画と同じときにISSから撮影された静止画の1枚を紹介したことがあります。(参考)ISSから見た鏡餅のような満月

Image courtesy of the Earth Science and Remote Sensing Unit, NASA Johnson Space Center
動画作成: Noriaki Okamoto

(参照)Gateway to Astronaut Photography of Earth