この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた星雲NGC 261です。NGC 261は、地球から約21万光年離れた小マゼラン銀河にあります。NGC 261には高温の星が多数存在しており、それらの星からの紫外線により水素ガスが電離してピンク色に輝いています。
ハッブル望遠鏡がNGC 261に向けられたのは、分子雲でどれだけ効率的に星が形成されるのかを調べるためです。ガスと塵からなる高密度でコンパクトな領域である分子雲は、多くの場合、大量の分子水素で構成される低温領域で、ほとんどの星はそこで誕生します。しかし分子水素の観測は困難なため、その代わりに分子雲に存在する他の分子がしばしば追跡されます。
ハッブル望遠鏡は、NGC 261がある小マゼラン銀河の南西部の観測を行い、一酸化炭素(CO)を通じて、星雲の星形成の特性をくわしく調べました。NASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページによればこのような調査は、天の川銀河と、近隣にある他の銀河において星がどのように形成されるのかをより理解することに役立つとのことです。
こちらは小マゼラン銀河(左下の枠)における冒頭の画像の位置を示したものです。
画像は2024年8月28日NASAのウェブページで公開されました。
(参照)NASA