この画像は、からす座の方向、約7000万光年の距離にある触角銀河(アンテナ銀河)をとらえたもので、アルマ望遠鏡の電波画像とハッブル宇宙望遠鏡の可視光画像が合成されています。触角銀河は、NGC 4038とNGC 4039という二つの銀河が衝突しつつある現場です。
ハッブル宇宙望遠鏡の画像には新しく生まれた星々が写っていますが、アルマ望遠鏡の画像(赤色、ピンク色、黄色の部分)にはそういった星々を生み出す材料となる低温ガス雲など、可視光では見えないものが見えています。アルマ望遠鏡の観測は、ミリ波とサブミリ波の特定の波長で行われたもので、低温ガス雲の中の一酸化炭素分子を検出するように調整されていました。
アルマ望遠鏡は2011年9月30日に科学観測を開始しました。画像はその報告の際にリリースされたものです。アルマ望遠鏡による触角銀河の画像は、科学観測以前の試験観測中に取得されました。
こちらはアルマ望遠鏡のみの画像です。なおハッブル宇宙望遠鏡がとらえた触角銀河の画像は、アストロピクスでも紹介したことがあります。こちらの記事をご覧ください。