ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「隠された銀河」 | アストロピクス

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「隠された銀河」

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河IC 342(Caldwell 5)。IC 342の直径は約5万年で、きりん座の方向、地球から約1100万光年の距離にあります。IC 342の銀河円盤は地球に対して真上を向いており、この画像には、高温のガスと星からなる中心核とそれを取り囲む渦状腕が映っています。渦状腕には塵の帯が絡み付くように暗く見えています。

IC 342の中心核は「HII核」と呼ばれる、電離した水素からなる領域です。このような領域では、数百万年の間に何千もの星が爆発的に形成されます。若くて高温の青い星が放射する紫外線によって、周囲の水素がさらに電離されます。

IC 342は比較的明るく、距離も比較的近い銀河なのですが、空では目立ちません。天の川銀河の円盤の銀河面付近にあって、高密度のガスや暗い塵、輝く多くの星などのために見えにくくなっているのです。そのためIC 342には「Hidden Galaxy(隠された銀河)」という別名もあります。星間物質に隠されていなければ、私たちがみる夜空で最も明るい銀河の1つになるだろうとのことです。

画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページで2022年5月11日に紹介されました。

Image credit: NASA, ESA, P. Sell (University of Florida), and P. Kaaret (University of Iowa); Image processing: G. Kober (NASA Goddard/Catholic University of America)

(参照)NASA