この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、棒渦巻銀河NGC 1672が映っています。NGC 1672は、かじき座の方向、4900万光年の距離にあります。銀河円盤は数十億の輝く星で満ちており、2本の大きな渦状腕に沿って電離した水素ガスがピンク色に輝いています。
NGC 1672は、活動銀河の一種である「セイファート銀河」に分類されています。活動銀河は、超大質量ブラックホールの活動によって明るく輝く活動銀河核を持つ銀河です。
この画像には、超新星SN 2017GAXも映っています。SN 2017GAXは2017年8月に発見された超新星で、その年の後半に撮影されたこの画像ではすでに暗くなっており、小さな緑の点としてかろうじて見えています。超新星の元の星が持っていた可能性のある伴星を探すために、超新星が暗くなってから観測が行われたのです。
こちらは2005年と2017年の画像を比較したものです。2017年の画像には超新星SN 2017GAXの位置が示してあります。
NGC 1672は最近、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測も行われました。また2007年に公開された、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像をアストロピクスで紹介したこともあります。
(参考記事)
ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた棒渦巻銀河NGC 1672
ウェッブ望遠鏡がとらえた19の「フェイスオン」渦巻銀河コレクション
画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)とWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年11月4日に公開されました。
(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, O. Fox, L. Jenkins, S. Van Dyk, A. Filippenko, J. Lee and the PHANGS-HST Team, D. de Martin (ESA/Hubble), M. Zamani (ESA/Hubble)
(参照)ESA/Hubble