ダークエネルギーカメラでとらえた「かみのけ座銀河団」の精細画像

巨大な銀河団「かみのけ座銀河団」を、ダークエネルギーカメラ(DECam)でとらえた画像が公開されました。かみのけ座銀河団は、地球から約3億2000万光年の距離にあります。画像はNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から、2024年8月14日に公開されました。

かみのけ座銀河団は、ダークマター(暗黒物質)の発見に関係しています。1937年、スイスの天文学者フリッツ・ツビッキーが、かみのけ座銀河団にあるいくつかの銀河を観測したところ、それらの銀河は非常に速く動いていました。観測可能な銀河団の質量だけでは、それらの銀河を銀河団につなぎ止めておくことができず、銀河団から飛び出してしまうほどの速度でした。そこでツビッキーは、たくさんの銀河が銀河団としてまとまっていることができるのは、観測できない大量の物質(質量)が存在するからだと考えました。今で言うところのダークマターです。

DECamは、南米チリ、セロ・トロロ汎米天文台(CTIO)にあるビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されているカメラです。5億7000万画素のDECamはもともと、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)の解明に向けた「ダークエネルギーサーベイ」のために製造されました。サーベイ計画の後は、さまざまな観測に使われています。

Image Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA; Image Processing: D. de Martin & M. Zamani (NSF NOIRLab)

(参照)NOIRLab