別の小惑星との衝突でアポフィスの軌道が変わり地球に向かってくる可能性は?

2021年3月に地球へ接近した際にレーダーで観測された小惑星アポフィス。Image Credit: NASA/JPL-Caltech and NSF/AUI/GBO
2021年3月に地球へ接近した際にレーダーで観測された小惑星アポフィス。Image Credit: NASA/JPL-Caltech and NSF/AUI/GBO

2004年に初めて発見された小惑星アポフィス(99942 Apophis)。地球近傍天体(NEO)である直径約335メートルのこの小惑星は発見当初、将来的に地球に衝突する可能性があるとみられていました。ただその後の観測により、地球には衝突しないことが判明しています。

そうはいっても、この先、別の小惑星がアポフィスにぶつかってアポフィスの軌道が変わることはないのでしょうか。

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既知の130万個の小惑星の軌道を計算

アポフィスは2029年4月13日に3万7399kmまで接近すると予想されています。カナダ、ウェスタン大学のPaul Wiegert氏とウォータールー大学のBenjamin Hyatt氏は、太陽系に存在する130万個の既知のすべての小惑星の軌道を2029年4月まで計算し、アポフィスが別の小惑星と衝突することで進路を変更し、地球に落ちてくることがないかを探りました。

「アポフィスがどれくらい接近して地球のそばを通過するのかを考えると、現在の軌道から外れて地球に衝突するかもしれない潜在的なリスクがあります」とHyatt氏。ただコンピュータ・シミュレーションの結果、いくつかアポフィスと非常に接近する小惑星はあるものの、直接衝突する可能性のある事例は見つからなかったとのことです。

たとえば直径1300mの小惑星ザンザス(4544 Xanthus)は、2026年12月にアポフィスと接近遭遇します。最小交差距離(MOID)は1万km未満で、ザンザスはアポフィスのわずか4時間後に最接近点を通過しますが、衝突する可能性はありません。

アポフィスについてWiegert氏は「安全な余裕があるところを通り過ぎることがわかっている現在でも、天文学者は警戒を怠りません。見るのをやめることができない小惑星なのです」と語っています。

(参考記事)小惑星アポフィスは今後100年以上は地球に衝突しないことが判明

(参照)Western News