ルーシー探査機が発見した小惑星の衛星の名前が「セラム」に決定

NASA(アメリカ航空宇宙局)のルーシー探査機の最初の訪問天体となったディンキネシュでは、接近時に小さな衛星が発見されました。その衛星に「セラム(Selam)」という名称をつけることが、2023年11月27日にIAU(国際天文学連合)で承認されました。セラムは、エチオピアのアムハラ語で「平和」を意味します。

ルーシー探査機がとらえた小惑星ディンキネシュ(右)とセラム(左)の擬似カラー画像。11月1日の最接近の100秒前に撮影された画像です。Image Credit: NASA/Goddard/SwRI
ルーシー探査機がとらえた小惑星ディンキネシュ(右)とセラム(左)の擬似カラー画像。11月1日の最接近の100秒前に撮影された画像です。Image Credit: NASA/Goddard/SwRI

ミッション名の「ルーシー」は、エチオピアで発見された人類化石につけられた愛称です。そして小惑星の名前である「ディンキネシュ」は、その化石のエチオピア名です。セラムもまたエチオピアで発見された人類化石です。セラムは幼児の化石で、「ルーシーの赤ちゃん」とも呼ばれることもあります。ただしセラムのほうがルーシーより10万年以上古い時代の化石です。

木星のトロヤ群小惑星の観測を目指すルーシー探査機は、2023年11月1日にディンキネシュに最接近した際にセラムを発見。その後に送られてきた画像から、セラムが2つの塊がくっついたような形をした接触二重小惑星であることが判明しました。小惑星を周回する接触二重小惑星が観測されたのは初めてです。

(参考記事)「木星のトロヤ群小惑星を目指す探査機ルーシー」「二重小惑星だったディンキネシュ。ルーシー探査機が観測」「小惑星ディンキネシュの衛星は接触二重小惑星だった ルーシー探査機の撮影画像から判明

ルーシー探査機は今後、2024年12月に地球で2回目のフライバイを実施、2025年4月には小惑星帯にある小惑星ドナルド・ジョハンソンに接近します。そして2027年以降に木星のトロヤ群小惑星の観測をスタートします。

(参照)NASA blog - Lucy Mission