大マゼラン銀河にある約116億歳の球状星団NGC 2210 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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大マゼラン銀河にある約116億歳の球状星団NGC 2210 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像は、大マゼラン銀河にある球状星団NGC 2210を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。大マゼラン銀河は地球から約15万7000光年の距離にある、天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)です。

球状星団は、数万〜数百万個の星が重力で球状に集まった星団です。NGC 2210を映したこの画像を見ると、中心部に星が密集して非常に明るくなっていることがわかります。

球状星団はまた、非常に古い天体であることが知られています。2017年に発表された研究によれば、NGC 2210の年齢は約116億歳であることがわかりました。116億歳でもかなり古いのですが、当時、研究の対象となった大マゼラン銀河の6つの球状星団の中でNGC 2210は最も若い球状星団で、4つの球状星団は130億歳を超えていました。

また、研究対象の古い球状星団の平均年齢は、天の川銀河のハローにある重元素に乏しい非常に古い球状星団とほぼ同じであることが判明しました。天の川銀河と大マゼラン銀河が、それぞれ独立して形成されたにもかかわらず、2つの銀河の最も古い球状星団が同時期に形成されていたのです。

画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)とWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2023年12月4日に公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Sarajedini, F. Niederhofer

(参照)ESA/Hubble