2023年11月1日、NASA(アメリカ航空宇宙局)のルーシー探査機が、小惑星帯にある小惑星ディンキネシュに最接近し、画像を撮影しました。ルーシー探査機の観測により、ディンキネシュが二重小惑星であることも判明しました。
ルーシーは、木星のトロヤ群小惑星の観測を目指す探査機です。ディンキネシュはルーシー探査機にとって最初の訪問天体であり、今回は本番の観測に向けたシステムのチェック等が主な目的でした。
ルーシー探査機は1日16時54分(世界時、日本時間2日1時54分)に、ディンキネシュから430kmの距離まで接近しました。最接近の数週間前には、ディンキネシュの明るさが時間と共に変化することから、二重小惑星である可能性があると見られていました。間近からの観測により、それが確かめられた形です。大きい天体は最大幅およそ790m、小さい天体のサイズはおよそ220mと推定されています。
こちらは「T2CAM(terminal tracking cameras)」という、小惑星を追跡することなどが目的のカメラで、13秒おきに撮影された一連の画像をアニメーションにしたものです。2つの天体のみかけの動きは、秒速4.5kmで移動する探査機の動きによるものです。
ルーシー探査機は2024年12月に、いったん地球へ戻りそこで2回目のフライバイを行い、その後2025年4月には小惑星帯にある小惑星ドナルド・ジョハンソンに接近します。そして2027年以降に、いよいよ木星のトロヤ群小惑星の観測が始まります。
(参考記事)木星のトロヤ群小惑星を目指す探査機ルーシー
(参照)NASA