太陽程度の質量の星の年老いた姿「スペアタイヤ星雲」 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

太陽程度の質量の星の年老いた姿「スペアタイヤ星雲」

この画像は、惑星状星雲「IC 5148」を、南米チリにあるジェミニ南望遠鏡でとらえたものです。つる座の方向、約3000光年の距離にあるIC 5148は、「スペアタイヤ星雲」とも呼ばれます。

この星雲はもともと、太陽と同じくらいの質量の星だったと考えられています。太陽程度の質量の星は、年老いると膨らんで赤色巨星になります。やがて赤色巨星の外層のガスが周囲の宇宙空間へ放出されていき、中心に残された星の「芯」からの紫外線によって輝く天体が惑星状星雲です。IC 5148は、最も速く膨張する惑星状星雲の1つで、時速18万kmものスピードで外へ広がっています。

星雲の中央には、IC 5148の中心にある白色矮星が明るく映っています。白色矮星の周辺の暗い部分は、星からの放射の圧力によってガスが押し除けられて空洞になっている領域です。

画像は、NSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLabから2023年11月1日に「Images of the Week」として公開されたものです。

Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA; Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Rodriguez (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), & M. Zamani (NSF’s NOIRLab)

(参照)NOIRLab