塵の帯が目立つレンズ状銀河NGC 612 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたレンズ状銀河NGC 612です。NGC 612は、ちょうこくしつ座の方向、約4億光年の距離にあります。レンズ状銀河には、渦巻銀河と似た中央のふくらみと銀河円盤があります。ただ渦巻銀河と異なり、渦状腕がありません。

NGC 612は、地球に対して真横に近い角度で見えています。画像では銀河円盤の大部分を占める暗い塵と低温の水素ガスが、オレンジ色や暗赤色に見えています。

NGC 612は「セイファート銀河」と呼ばれるタイプの活動銀河です。セイファート銀河は、可視光ではふつうにみえますが、赤外線で非常に明るく輝きます。NGC 612を構成する星々は非常に若く、その年齢は4000万年から1億年ほどです。

またNGC 612は、大量の電波を発しています。このような電波を発するレンズ状銀河は、これまで5つしか見つかっていません。

画像は2023年10月3日、NASA(アメリカ航空宇宙局)から公開されました。

Image Credit: NASA's Hubble Space Telescope, ESA, A. Barth (University of California - Irvine), and B. Boizelle (Brigham Young University) ; Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)

(参照)NASA Science