大マゼラン銀河で発生し1987年2月に観測された超新星「SN 1987A」が、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測されました。画像はウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)で撮影されたものです。
鍵穴や三日月のような形の構造も
ウェッブ望遠鏡の観測により、中心部の鍵穴のような構造が明らかになりました。そこは超新星爆発によって放出された高密度のガスや塵で満たされています。
「鍵穴」のまわりには赤道方向に広がったリング構造が見られます。そのリング構造は、砂時計のような形をした外側のリングの「くびれ」を取り囲んでいます。赤道リングは、超新星爆発の数万年前に星から放出された物質で形成されました。リング上には、超新星爆発の衝撃波がリングに衝突した際に生じた明るい点がいくつも見られます。またリングの外側にも、そのような明るい点が見つかっています。
またウェッブ望遠鏡のこれまでにない感度と空間分解能により、三日月形の構造が新たに明らかになりました。この三日月形の構造は、超新星爆発で吹き飛ばされた、星の外層のガスの一部だと考えられています。
Credits: Science: NASA, ESA, CSA, Mikako Matsuura (Cardiff University), Richard Arendt (NASA-GSFC, UMBC), Claes Fransson (Stockholm University), Josefin Larsson (KTH); Image Processing: Alyssa Pagan (STScI)