火星ヘリ「インジェニュイティ」、51回目の飛行映像

この映像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の51回目の飛行時に撮影されたものです。

インジェニュイティの上昇とともにヘリコプターの影が小さくなっていき、また探査車パーサヴィアランスの車輪の跡が見えてきます。その後、方向をかえながら水平に飛行しているのが地形のようすからわかります。最後に向きを変えたのちに着陸します。画面右上と右下にはインジェニュイティの脚がわずかに見えています。

51回目の飛行は、2023年4月22日(772火星日)に行われました。最高速度は秒速4mで飛行距離は188m、最高高度12mで、136.9秒間飛行しました。「Airfield Mu」と呼ばれる地域で離陸し、「Airfield Nu」と呼ばれる地域に着陸しました。

このタイムラプス映像は、インジェニュイティの胴体部分に取り付けられているナビゲーションカメラで撮影された画像を元に編集部で作成しました。ナビゲーションカメラのデータは、飛行中にリアルタイムで位置や姿勢を決定するために使われており、飛行中に火星表面を追跡するため真下を向いています。

インジェニュイティは、パーサヴィアランスに連れられて火星に降り立ちました。2021年4月に初飛行に成功。当初は5回以内の試験飛行が予定されていましたが、想定をはるかにこえて稼働しています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
映像制作: Noriaki Okamoto

(参照)Mars Helicopter Tech Demo