火星探査車に取り付けられた医療従事者への感謝を示すプレート | アストロピクス

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火星探査車に取り付けられた医療従事者への感謝を示すプレート

このアルミニウム製のプレートは急遽製作され、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車(ローバー)マーズ2020パーサヴィアランスに取り付けられたものです。大きさは8cm×13cm。ローバーのシャーシの左側、中輪と後輪の間に取り付けられました。

プレートには杖に巻きつくヘビが描かれています。これは欧米で医学のシンボルとされるもので、このモチーフはWHO(世界保健機関)のシンボルマークにも使われています。ギリシア神話に登場する名医アスクレピオスに由来しており、「アスクレピオスの杖」とも呼ばれます。ちなみに星座のへびつかい座は、アスクレピオスが死後、空に上って星座になったとされています。

写真中央右側、シャーシに取り付けられているのが見えます。

写真のパーサヴィアランスのプレートには、杖の上に地球が描かれています。これは地球がアスクレピオスの杖、つまり医学に支えられていることを表現したものです。フロリダ半島から打ち上げられる探査機の軌道と、目的地である火星も描かれています。

新型コロナウィルスの感染が拡大する中、世界中の医療従事者の献身と激務を念頭に、このプレートがパーサヴィアランスに取り付けられることになりました。NASA、JPL(ジェット推進研究所)のパーサヴィアランス副プロジェクトマネージャーMatt Wallace氏は、「他人のために自らを危険にさらしている人々に感謝を示したかった」と述べています。「将来の世代の人たちが火星へ行き、われわれのローバーに出会ったとき、2020年の地球にそのような人たちがいたのだということを思い出してくれることを願っています」

※Perseveranceは媒体によって「パーセベランス」「パーシビアランス」「パーセヴェランス」などと表記されています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

https://www.nasa.gov/feature/jpl/the-launch-is-approaching-for-nasas-next-mars-rover-perseverance