火星ヘリ「インジェニュイティ」、49回目の飛行映像

この映像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の49回目の飛行時に撮影されたものです。

このタイムラプス映像は、インジェニュイティの胴体部分に取り付けられているナビゲーションカメラで撮影された画像を元に作成しました。ナビゲーションカメラのデータは、飛行中にリアルタイムで位置や姿勢を決定するために使われており、火星表面を追跡するため真下を向いています。

映像は離陸直後から始まります。インジェニュイティの影が上昇とともに小さくなっていき、またプロペラが動いているのも影からわかります。画面右上と右下にはインジェニュイティの脚がわずかに見えています。映像の後半では、いったん機体の向きを変えて画面内の影が左側に移動しています。

49回目の飛行は、2023年4月2日(752火星日)に行われました。最高速度は秒速6.5mで飛行距離は282m、最高高度16mで、142.7秒間飛行しました。「Airfield Kappa」と呼ばれる地域で離陸し、「Airfield Lambda」と呼ばれる地域に着陸しました。

インジェニュイティは、探査車パーサヴィアランスに連れられて火星に降り立ちました。2021年4月に初飛行に成功、その後、当初の予想をはるかにこえて稼働しており、現在も飛行を続けています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
映像制作: Noriaki Okamoto

(参照)Mars Helicopter Tech Demo