過去90億年で最も明るいクエーサーにX線で迫る

クエーサーの想像図。今回の研究では、SRG衛星搭載のeROSITA望遠鏡、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のXMM-Newton、NASA(アメリカ航空宇宙局)のNuSTARやスウィフト衛星などの観測データが使われました。研究は、フランス、IRAPのElias Kammoun氏と、ドイツ、マックスプランク地球外物理学研究所のZsofi Igo氏らの研究チームによるものです。
クエーサーの想像図。今回の研究では、SRG衛星搭載のeROSITA望遠鏡、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のXMM-Newton、NASA(アメリカ航空宇宙局)のNuSTARやスウィフト衛星などの観測データが使われました。研究は、フランス、IRAPのElias Kammoun氏と、ドイツ、マックスプランク地球外物理学研究所のZsofi Igo氏らの研究チームによるものです。

過去90億年間で最も明るいクエーサー「SMSS J114447.77-430859.3(以下、J1144)」をX線で観測した結果が報告されました。フランスのIRAP(宇宙物理・惑星科学研究所)などの研究チームによる研究です。

クエーサーは銀河中心の活動銀河核の一種で、その正体は超巨大ブラックホールです。ブラックホールに物質が落ち込んでいく際に多波長非常にで明るく輝きます。

研究チームは四つの天文衛星による観測データを使い、J1144から放射されるX線の温度を測定。温度が約3億5000万K(太陽の表面温度の6万倍以上)であることを発見しました。中心にある超巨大ブラックホールの質量が太陽の約100億倍で、年に100太陽質量程度ずつ成長していることもわかりました。

また、J1144からのX線は数日の時間スケールで変動していました。これは同程度のブラックホールをもつクエーサーでは通常みられない現象です。【1分で読む宇宙ニュース】

Image Credit: NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva

(参照)Royal Astronomical Society