138億年前のビッグバン直後は水素とヘリウム以外の元素はほぼ存在せず、宇宙での第1世代の星(ファーストスター)はそれらの元素から形成されました。太陽の数十〜数百倍の質量をもつファーストスターは、短期間のうちに超新星爆発を起こします。
超新星爆発により、炭素や酸素、マグネシウムなどさまざまな元素が放出されました。ただ超新星爆発の中には、エネルギーが低く星の中心核でみられる鉄などのより重い元素が放出されないケースもありました。
フィレンツェ大学などの研究チームは、そのような低エネルギーの超新星爆発の痕跡を初期宇宙のガス雲で特定したと発表しました。ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)のデータを使用して、鉄がほとんどなく、炭素、酸素、マグネシウムが豊富な3つのガス雲を120億年ほど前の初期宇宙で発見したのです。ガス雲を通過してきた、より遠方のクエーサーの光を調べて元素を分析しました。【1分で読む宇宙ニュース】
(参照)ESO