人工星で大気ゆらぎを補正! レーザー光を放つESOの超大型望遠鏡 | アストロピクス

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人工星で大気ゆらぎを補正! レーザー光を放つESOの超大型望遠鏡

ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)は単一の望遠鏡ではありません。四つの8.2m望遠鏡(ユニット・テレスコープ、UT)と、四つの可動式の1.8m補助望遠鏡(AT)で構成されています。この画像には四つのUT(大きな建物)と二つのAT(左奥に見える望遠鏡)が映っています。

UTの一つUT4には、レーザーガイド星を生成する技術が搭載されています。画像のようにレーザー光を照射し、高度90kmの中間圏でナトリウム原子を励起して光子を放射させて明るい人工星を作ります。その人工星からの光を実際の星の光と比較して大気のゆらぎを補正するために利用するのです。

VLTは南米チリのアタカマ砂漠にあり、人里から離れているため光害はほとんどありません。しかし空が常に真っ暗というわけではありません。画像左側の空がうっすらと明るくなっています。これは太陽光が惑星間塵に散乱されて明るく見えているものです(黄道光)。太陽の見かけの通り道を「黄道」といいます。黄道光は行動に沿った淡い光です。

画像右端近くにプレアデス星団(すばる)が映っています。また左から2番目のUTのすぐ上に、わし座のアルタイルが見えています。

この画像は、2020年9月14日にリリースされたESO(ヨーロッパ南天天文台)の「今週の1枚(Picture of the Week)」の画像です。

Image Credit: ESO/P.Horálek

(参照)ESO