日欧共同の水星探査計画「ベピコロンボ」が、2021年10月2日午前8時34分(日本時間、以下同じ)に水星フライバイを行います。フライバイとは、惑星などの天体の重力を利用して、探査機の速度や軌道を変更する技術のことです。ベピコロンボは水星の重力を利用して減速し軌道を変更します。
ベピコロンボは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「みお(MMO)」とESA(ヨーロッパ宇宙機関)の水星表面探査機(MPO)、電気推進モジュール(MTM)などが結合した形で水星へ向かっています。
ベピコロンボはこれまで、地球で1回、金星で2回(2020年10月15日、2021年8月10日)のフライバイを行ってきました。今回を含め水星では6回のフライバイが予定されています。水星でのフライバイは今回が初めてです。合計9回のフライバイの後、ベピコロンボは2025年12月に水星へ到着する予定です。
今回のフライバイでベピコロンボは、最接近時には高度約200kmまで近づく予定です。画像撮影や科学データの取得も行います。フライバイ時には、MTMに遮られるためにメインの科学カメラで高解像度画像の撮影はすることができません。ただ3台のモニタリングカメラ(MCAM)のうちの2台で、最接近の約5分後から4時間後まで画像を撮影する予定です。
ベピコロンボは水星の夜側から接近するため、最接近時には撮影条件がよくなく、最も近くからの画像は約1000kmの距離から撮影されることになります。最初の画像は2日午後3時ごろに公開される予定になっています。またESAによると、画像には水星のクレーターを確認できるだろうとのことです。
Image Credit: ESA/ATG medialab
(参照)ESA