水星探査機メッセンジャーが周回軌道から取得した初画像 | アストロピクス

水星探査機メッセンジャーが周回軌道から取得した初画像

2004年8月3日に打ち上げられたNASA(アメリカ航空宇宙局)の水星探査機メッセンジャーは、2011年3月18日に水星の周回軌道に入りました。この画像は3月29日に撮影されたもので、周回軌道から最初に取得された一連の画像からカラー画像を作成したものです。

画像上部にある、放射状の明るい筋を伴ったクレーターはドビュッシー・クレーターです。ドビュッシー・クレーターの西側にある暗い筋を伴った小さなクレーターはマタベイ・クレーターです。画像下部は水星の南極付近が映っています。

なお水星のクレーターは世界各国の画家や音楽家、作家など芸術家の名前にちなんで名付けられています。「ドビュッシー」はフランスの作曲家、「マタベイ」は日本の江戸時代初期の絵師、岩佐又兵衛にちなんだ名前です。(参考)日本人にちなむ名前が付けられた水星のクレーターの一覧

画像はメッセンジャー探査機に搭載された広角カメラで撮影されました。中心波長1000ナノメートル、750ナノメートル、430ナノメートルのフィルターで得られた画像を赤、緑、青に割り当てて合成してカラー画像にしています。

Image Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

(参照)Planetary Photojournal