日本時間の2019年11月11日夜から12日未明にかけて、水星が太陽の前を通過して見える現象(水星の太陽面通過)がありました。月が太陽の手前を通過する現象は「日食」と呼ばれますが、水星や金星などの惑星が太陽の手前を横切る現象は「太陽面通過(日面通過)」と呼ばれます。
上の画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽観測衛星SDOがとらえた、11〜12日の水星の太陽面通過のようすです。公開されたSDOの映像から複数の画像を取り出してアストロピクスで合成したものです。太陽は光球が見えており、手前を水星が丸いシルエットとして通過しているのが映っています。
こちらはSDOが水星が太陽面を横切り始めた直後を、17.1nmの波長で撮影した画像です。17.1nmの波長では、約60万度の領域が映し出されています。
水星の太陽面通過は比較的珍しい現象で、次に起きるのは2032年まで待たなければなりません。なお、水星や地球の公転軌道の関係で、水星の太陽面通過が見られるのは5月10日ごろか11月10日ごろに限られます。
SDOがさまざまな波長でとらえた太陽面通過を、1つの動画にまとめたものです。
リンク先では、今回の太陽面通過を、SDOがさまざまな波長でとらえた画像を個別に見ることができます。
Credit: Data courtesy of NASA/SDO, HMI, and AIA science teams.