南北両半球からの撮影画像を合成したパノラマに映る「天の川」と「黄道光」

この画像は、別々の場所で撮影された星空の画像を合成して作られたパノラマ画像です。

画像の左側は南米チリにあるジェミニ南望遠鏡、右側はハワイ島のマウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡付近から撮影されました。画像右端には、日本の「すばる望遠鏡」も映っています。このように南北両半球で撮影された写真を合成した星空の画像は、以前、ESO(ヨーロッパ南天天文台)から公開されたこともあります。

画面の左右に天の川が映っています。左側には天の川銀河の中心方向が見えており、多くの星々だけでなく暗い塵の帯も目立っています。

左から右へ伸びる、淡く明るい光の帯は黄道光です。黄道光は惑星間塵に太陽光が散乱したもので、太陽の通り道(黄道)に沿って現れます。黄道光の中で、画像中央がやや明るくなっています。これは太陽の正反対にあたる場所で「対日照」と呼ばれます。画像左側で最も明るく輝いている星は金星です。

黄道光や対日照の元となる塵は、彗星の尾や小惑星の衝突など、さまざまな原因で発生します。最近では、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーのデータをもとに、その塵の起源が火星ではないかとする研究も発表されています。

画像はNSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2022年6月22日にリリースされた「Images of the Week」です。

Image Credit: NOIRLab/NSF/AURA/ P. Horálek (Institute of Physics in Opava), T. Slovinský

(参照)NOIRLab