白色矮星の近くで生き残った惑星を初めて発見!

白色矮星のまわりを公転する木星サイズの惑星の想像図。

白色矮星のまわりを公転する木星サイズの太陽系外惑星が発見されました。これまで破壊された天体の破片のようなものが白色矮星のまわりで発見されたことはありましたが、惑星が発見されたのは初めてのことです。NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽系外惑星探索衛星TESSやスピッツァー宇宙望遠鏡などの観測による成果です。

その系外惑星「WD 1856 b」は、りゅう座の方向、約80光年の距離にある白色矮星「WD 1856+534」のまわりを34時間で1周しています。白色矮星の7倍ほどの大きさで、質量は木星の14倍以下と見られています。

太陽程度の質量の星は、核融合の燃料である水素が尽きると元の大きさの数百〜数千倍に膨らんで赤色巨星になります。その後、星の外層のガスを放出し、質量の80%までを失います。後に残った星の高温の“芯”はやがて白色矮星になります。

星が赤色巨星になるとき、近くにある惑星は赤色巨星に飲み込まれてしまいます。WD 1856 bはもともとは中心星から遠く離れたところを周回しており、中心星が白色矮星になったあとで近づいたと見られます。

ただ白色矮星に近づきすぎると、潮汐力によって惑星は引き裂かれてしまいます。WD 1856 bがどのようにして破壊されずに現在の軌道に落ち着いたのか、多くの疑問が残っている状況です。

Image Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center

(参照)NASANOIRLab