史上初! 同じ系外惑星系の複数の惑星が直接撮像された | アストロピクス

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史上初! 同じ系外惑星系の複数の惑星が直接撮像された

ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)によって、太陽に似た恒星と、その恒星を公転する2つの太陽系外惑星の画像が撮影されました。複数の系外惑星が直接撮像されたのは史上初めてのことです。上の画像で左上に見えるのが恒星で、その右下に映る2つが系外惑星です。

その恒星は、はえ座の方向、約300光年の距離にある「TYC 8998-760-1」です。太陽によく似た星ですが、形成から1700万年しか経っていない、太陽と比べるとまだ非常に若い恒星です。

撮影された2つの系外惑星はどちらも巨大ガス惑星で、主星からの距離はそれぞれ160天文単位と320天文単位あります。なお天文単位とは太陽〜地球間の距離を元に決められた単位で、1天文単位は約1億5000万kmです。太陽系では木星が太陽から5天文単位、土星が10天文単位程度しか離れていないのと比べると、主星から非常に遠く離れています。

2つの系外惑星はまた、太陽系の巨大ガス惑星よりはるかに重く、内側の系外惑星は木星の14倍、外側の系外惑星は木星の6倍の質量があることも分かりました。

画像は、VLTに搭載されている「SPHERE」という装置で撮影されました。SPHEREは「コロナグラフ」という装置を使って恒星の明るい光を隠すことで、恒星と比べてはるかに暗い惑星を観測できます。研究チームはここ1年で数枚の画像を撮影したほか、2017年までの古いデータも利用することで、これらの天体が惑星系の一部であることを確認しました。

Image Credit: ESO/Bohn et al.

https://www.eso.org/public/news/eso2011/