NASA(アメリカ航空宇宙局)は2024年6月13日、星間空間を航行中のボイジャー1号について、通常の科学運用に戻ったと発表しました。
ボイジャー1号は、2023年11月に不具合が発生し、意味のあるデータが送信されない状態に陥りました。調査の結果、探査機に搭載されている3つのコンピューターのうちの1つ、フライトデータシステム(FDS)内のメモリの一部が破損していることが判明。失われたコードを分割してFDSメモリの別の場所に再配置することで、探査機の健康状態などを含む工学データの送信が4月中旬に再開していました。
ボイジャー1号に搭載されている科学機器のうち、現在は宇宙線サブシステム(CRS)、低エネルギー荷電粒子計測装置(LECP)、磁力計(MAG)、プラズマ波サブシステム(PWS)という4つの機器が稼働しています。これらのうち、PWSとMAGについては、5月中旬に科学データの送信が再開していました。今回、残りのCRSとLECPのデータの送信が再開することになりました。
なおボイジャー1号には、10の観測装置が搭載されています。上記の4つ以外の観測装置はすでに機能を停止したり、土星を通過したあとに電源が切られたりしており、現在は動作していません。
NASAによれば、問題の影響を解消するため、探査機の3つのコンピューターの計時ソフトウェアの再同期など、追加の作業を行っているとのことです。
ボイジャー1号は現在、地球から240億km以上離れたところを航行しています。200億km以上離れているボイジャー2号とともに、今年後半で運用開始から47年を迎えます。
(参考)
ボイジャー1号、2号の現在地は? 今どこにいるのか
ボイジャー1号、正常な工学データの送信を再開!
ボイジャー1号、科学データの送信も再開!
Image Credit: Caltech/NASA-JPL