皆既月食と天王星食 国立天文台が撮影 | アストロピクス

皆既月食と天王星食 国立天文台が撮影

2022年11月8日、皆既月食と天王星食が同時に見られるということで大きな話題となりました。その際に撮影された皆既月食と天王星食の画像と動画が、国立天文台の広報ブログで公開されています。

撮影:長山省吾。(クレジット:国立天文台)
撮影:長山省吾。(クレジット:国立天文台)

こちらは天王星食の少し前に撮影された画像です。この時の皆既食は19時16分から20時42分まで続きました。画像が撮影された東京では、天王星の潜入開始は20時40分53秒。画像は潜入開始の数分前、20時37分に撮影されたもので、皆既月食の月のすぐ左に天王星が映っています。口径12センチメートルの屈折望遠鏡を使って撮影されました。

こちらは口径50センチ公開望遠鏡で撮影された、天王星のクローズアップ映像です(撮影:萩野正興、佐藤幹哉、長山省吾。映像編集:三上真世。〔クレジット:国立天文台〕)。天王星の潜入と出現のようすがまとめられています。

こちらの画像は地球と月、天王星の実際の大きさを比べたものです。地球と比べると、月は4分の1強、天王星は約4倍の大きさがあります。半径は地球が6371km、月が1737.5km、天王星が2万5362kmで、天王星は月の14.5倍ほどの大きさです。

ただ天王星は非常に遠方にあるため、地球から見ると点にしか見えません。月食当日の地球と月の距離は約39万kmでした。一方、地球と天王星は最も近づくときでも25億km以上の距離があります。月と天王星とでは距離が4桁も違います。

参考記事:「月の大きさは? 地球と比べると? 月までの距離は?」「太陽系の惑星の大きさ比較

(参照)国立天文台