この画像は、土星探査機カッシーニが土星の衛星タイタンの赤道付近の一部をとらえたものです。「センキョウ(Senkyo)」と呼ばれる暗い領域が映っています。アルベド(反射率)が低く暗く見えているところは、タイタンの大気から凝縮した炭化水素の粒子からなる砂漠地帯だと考えられています。なおセンキョウとは、日本語の「仙境(仙人のいる場所)」にちなんで名付けられました。
画像は2009年10月12日、カッシーニ探査機の狭角カメラで938ナノメートルを中心とする近赤外線の波長に感度を持つフィルターを使い撮影されました。撮影時、カッシーニ探査機はタイタンから約29万6000キロメートルの距離に位置していました。
こちらは2010年4月8日にカッシーニ探査機が狭角カメラでとらえたタイタンの画像です。冒頭の画像と同じく938ナノメートルを中心とする近赤外線に感度を持つフィルターを使って撮影されました。タイタン表面の右側のほうにセンキョウが見えています。
Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute