ハッブルがとらえた球状星団M53の高精細画像 | アストロピクス

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ハッブルがとらえた球状星団M53の高精細画像

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた球状星団M53(NGC 5024)。かみのけ座の方向、6万光年の距離にあります。画像には非常にたくさんの星々が鮮明に映し出されています。球状星団はほぼ球のような構造をしており、中心にいくほど星の密度が高くなっています。M53は、天の川銀河だけでも150個以上存在する球状星団の1つです。

球状星団には、一般に年老いた星が多く存在し、巨大な若い星は多くありません。しかしM53には「青色はぐれ星」と呼ばれる若くて青い星が多く発見されています。

恒星は質量が大きいほど短命です。大質量星は燃料を使い果たして早い時期に超新星爆発を起こしてその生涯を閉じます。時間が経つにつれて、球状星団には年老いた小質量の星ばかりになるはずです。しかし青色はぐれ星は、年老いた星が多い球状星団の中で明るく若い姿をとどめているのです。このような青色はぐれ星は、球状星団の中心部で星と星が接近・衝突するなどして形成された可能性が高いとみられています。

画像は2011年10月3日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされたものです。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA

(参照)ESA/Hubble