打ち上げ25周年! 観測衛星SOHOがとらえた太陽の25年

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)とNASA(アメリカ航空宇宙局)の共同ミッションである太陽・太陽圏観測衛星SOHOは、1995年12月2日に打ち上げられました。そのSOHOが打ち上げから25周年を迎えました。

アストロピクスでは以前、打ち上げ翌年の1996年から2017年までSOHOがとらえた太陽を22年分並べた画像を紹介しました。上の画像は、そこからさらに3年分を追加したものです。太陽の25年間の活動の様子が分かります。

太陽は、11年周期で黒点の数が増えたり減ったりを繰り返します。画像にはその11年周期が2周期分含まれています。この25枚の太陽画像はSOHOの極端紫外線望遠鏡で撮影されたものです。「コロナ」と呼ばれる太陽の上層大気中の約200万℃のガスが映し出されています。黒点が多く出現する太陽活動が活発な時期は明るく、そうでない時期は暗くなっています。

SOHOは、太陽と地球の間、地球から約150万km離れたラグランジュ点L1から太陽の観測を行っています。1998年には3か月ほど通信途絶したことがあり、また同じ年には姿勢制御のためのジャイロスコープという装置が3台全て故障しました。その後、ジャイロスコープを使わずに姿勢制御できるソフトウェアが開発され、1999年2月から完全な科学運用に戻ることができました。そこからさらに20年以上の歳月を経て、SOHOはいまだに現役で観測を続けています。

ちなみにSOHOは太陽の観測に加え、実は天文学史上最も多く彗星を発見しており、これまで4000個以上の彗星を見つけてきました。詳しく知りたい方は過去記事「太陽観測衛星SOHOのデータから4000個目の彗星を発見!」をご覧ください。

Image Credit: SOHO (ESA & NASA)

(参照)ESA