マーズ・エクスプレスがとらえた、断層によってできた火星の地形

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスが、火星のテンペ・フォッサの一部をとらえた画像です。テンペ・フォッサは火星のタルシス高地の北東部、高地と低地の境界付近にあります。

テンペ・フォッサでは、断層によってできた「グラーベン(地溝)」や「ホルスト(地塁)」などの地形がみられます。グラーベンは、ほぼ平行な断層の間にできた溝で、ホルストは断層の間で高まっている地形のことです。どちらも火山や地殻変動の関係でできたものです。

画像の右側の領域は、滑らかになっています。この部分はかつて溶岩が流れ込んで冷えて固まり、滑らかになった場所です。画像の左側に見られる尾根や溝のほとんどは、左上から右下に走っています。それらに対して垂直に横切る小さな亀裂もみられます。

タルシス高地は非常に広大な台地で、幅は数千kmに及び、高さは平均5kmほどあります。タルシス高地は何億年もかけて少しずつ巨大になってきました。その過程で周囲の地殻に対して引き伸ばしたり圧縮したりする力を加えたことで、さまざまな方向に亀裂が生じたのです。

この画像は、高さによって色分けされています。白〜赤の部分の標高が高く、黄〜緑にかけて低くなっていき、青〜紫が最も低いところです。画像の左側から右側に行くにしたがって低くなっているのが分かります。

冒頭の画像の一部の領域の立体画像です。画像右上のクレーターの周囲に、何かが流れ出したような構造がみられます。このようなクレーターは「ランパートクレーター」と呼ばれます。このクレーターは冒頭の画像の右上部分に映っています。見えている地形などから、ランパートクレーターの右下の上空から見たものであることが分かります。

いずれの画像もデータの取得は2019年9月30日で、2020年5月14日にリリースされたものです。

Image Credit: ESA/DLR/FU Berlin, CC BY-SA 3.0 IGO

https://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Mars_Express/Sculpted_by_nature_on_Mars

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