2021年6月7日(日本時間8日)、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーは、木星の衛星ガニメデの表面から1038kmまで接近しました。それほど接近したのは、2000年5月にガリレオ探査機が809kmまで接近して以来のことでした。そしてガニメデ接近から1日も経たないうちに、ジュノー探査機は木星への34回目のフライバイを行いました。そのときのガニメデと木星へのフライバイのようすを、ジュノー探査機の目線で見たアニメーションが作成されました。
3分30秒のアニメーションは、ジュノーがガニメデに接近、通過するところから始まります。ガニメデ表面を見ると、比較的明るいところと暗いところに分かれているのがわかります。またガニメデで最も大きくて明るいクレーターの一つである「トロス・クレーター」も映っています。
ジュノーは、ガニメデと木星の間の118万kmをわずか14時間50分で移動し、木星の雲頂から3400kmのところに到達しました。このとき、木星の重力によってジュノーは木星に対して時速21万kmに加速されました。
木星では北極付近にあるサイクロンや、南半球で同じ緯度帯に並ぶ8つの白い巨大嵐のうち5つが見えています。ジュノーによる大気の情報をもとに再現された雷も表現されています。
ジュノー探査機は従来、53日間で木星を1周していましたが、今回のガニメデへの接近によって1周43日の軌道に変更されました。
(参考記事)
木星探査機ジュノーが撮影した衛星ガニメデの最新画像
ジュノー探査機がとらえた木星の衛星ガニメデのカラー画像
Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS