NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーが、2021年6月7日(日本時間8日)に木星最大の衛星ガニメデへ接近した際に撮影した画像が公開されました。
この画像はジュノーに搭載されたカメラ「ジュノーカム(JunoCam)」でとらえられたものです。ガニメデ表面のクレーターや明暗のようすがはっきりと映し出されています。画像は緑のフィルターを使い撮影されたもので、いずれ赤と青のフィルターで撮影された画像が送られてくると、それらを合成して自然色のカラー画像を作成できます。
こちらの画像は、Stellar Reference Unit(SRU)のナビゲーションカメラで撮影されたガニメデ表面です。ガニメデの太陽光が当たっていない面がとらえられています。SRUはもともと、星空の画像を撮影して明るい星をとらえ、ジュノーの位置を把握するための装置です。暗いところを撮影する低照度(高感度)カメラなので、ガニメデの陰の部分を撮影するのに適していました。
今回ジュノーは、ガニメデの表面から1038kmまで近づきました。ガニメデにここまで接近するのは、NASAの木星探査機ガリレオが、2000年5月20日に809kmまで接近して以来のことです(ガリレオ探査機は2000年12月にガニメデに最後の接近を行いましたが、その時の高度は2338km)。
ジュノーが撮影したガニメデの画像は、近日中にさらに送信されてくる予定とのことです。アストロピクスでも引き続き紹介していくつもりです。
(参照)NASA