
アインシュタインの一般相対性理論は、宇宙の膨張によって遠方の宇宙では時間が遅れて見え、私たちが初期宇宙を見ると現在よりゆっくり動いて見えるはずだと予言します。
シドニー大学のGeraint Lewis教授らは過去20年間にわたり観測されてきた190個のクエーサーを分析し、宇宙が誕生して10億年超のころを見ると時間が5倍遅く流れるようにみえることを示したとする研究を発表しました。緑、赤、赤外線などさまざまな波長で得られた観測結果を組み合わせることで、各クエーサーの時間の「刻み」を標準化できたとのことです。
従来の研究では、遠方のクエーサーでの時間の遅れを特定できなかったことから、クエーサーが本当に宇宙論的天体なのか、あるいは宇宙膨張は正しいのか疑問を抱く人もいたといいます。Lewis教授は、今回の研究で相対性理論の予想通り遅れてみえることがわかり、膨張する宇宙を裏付けることもできたとしています。【1分で読む宇宙ニュース】
Image Credit: NASA, ESA and J. Olmsted (STScI)