伴星の「ふらつき」から地球に近いブラックホールを発見

ガイアは、10億以上の星の位置や動きを正確に測定する衛星です。画像はガイアのデータをもとに作成された天の川銀河の地図に、ガイアのデータをもとに発見された2つのブラックホールの位置をプロットしたもの。ガイアBH1は、へびつかい座、ガイアBH2はケンタウルス座の方向で見つかりました。
ガイアは、10億以上の星の位置や動きを正確に測定する衛星です。画像はガイアのデータをもとに作成された天の川銀河の地図に、ガイアのデータをもとに発見された2つのブラックホールの位置をプロットしたもの。ガイアBH1は、へびつかい座、ガイアBH2はケンタウルス座の方向で見つかりました。

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の位置天文衛星ガイアのデータから、地球に最も近いブラックホール「ガイアBH1(*1)」に加えて、2番目に近い「ガイアBH2」が見つかりました。ガイアBH1は1560光年、ガイアBH2は3800光年の距離にあります。大質量の天体に影響を受けているかのようにふらつく伴星の動きから発見されました。

ブラックホールが連星系をなしている場合、伴星のガスがブラックホールに引き寄せられて落ち込んでいく際にX線や電波を放射することがあり、これまでそのX線などを観測することでブラックホールが発見されてきました。しかし発見された2つのブラックホールではX線は観測されておらず、どちらも伴星からかなり離れた軌道をもつとみられています。

伴星からかなり距離のあってX線などを放射しないブラックホールが地球に近いところで見つかったことは、似たような状況で未発見のものが多く存在していることを示唆しています。【1分で読む宇宙ニュース】

(*1)ガイアBH1について詳しくは「地球から最も近いブラックホールを発見」をご覧ください。

Image Credit: ESA/Gaia/DPAC; CC BY-SA 3.0 IGO, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA