
この画像には、きれいな円弧を描く星の軌跡が映し出されています。このような星の動きは、地球の自転運動によって生じます。北半球に住んでいる私たちには、このような星空の写真に映る星の軌跡の中心には北極星がありますが、この画像はそうではありません。画像は南半球で撮影されたもので、星々の円弧の中心にあるのは天の南極です。
この画像は、ESO(ヨーロッパ南天天文台)が「今週の1枚(Picture of the Week)」として2025年11月17日に公開したものです。地上にあるのは南米チリ、ESOパラナル天文台に設置されているVLT(超大型望遠鏡)の可動式補助望遠鏡(AT)です。画像では、ATの先端部分の真上に天の南極があり、星々が望遠鏡のまわりを回転しているようにも見えます。
このような画像を撮影するには、数時間かけて長時間露光の画像を複数撮影する必要があります。最終的にどうなるかは、画像を合成してみないとわかりません。ESOによれば、画像を撮影した写真家のOsvaldo Castillo氏は「300枚近くの画像を撮影しましたが結果はすぐにはわかりません。幸いなことに、計算と方角は正確でした」と語っているとのことです。
(参考)
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Image Credit: O. Castillo/ESO
(参照)ESO

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