火星にある、できかけの「台座」クレーター | アストロピクス

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火星にある、できかけの「台座」クレーター

火星には「ペデスタル・クレーター(pedestal crater、pedestalは「台座」の意)」と呼ばれるタイプのクレーターがあります。クレーターの周囲が台地になっており、台地の縁が切り立った崖のようになったものです。

クレーターの周囲に積もった衝突時の噴出物が、元々の地形よりも侵食されにくい場合、時間の経過とともにまわりが侵食されても噴出物の部分が侵食に耐えて残り台地状になります。なかには周囲よりも数百mも高くなっているものもあります。

この画像に映っている直径約500mのクレーターは、地質学的にはかなり新しいものです。それにもかかわらず、噴出物の部分はすでに周囲よりも高くなっています。これはペデスタル・クレーターが形成される初期段階を示しているのかもしれません。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2015年2月2日に撮影されたもので、2021年3月28日のHiPODとして紹介された画像です。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE