太陽探査衛星がとらえた金星 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

太陽探査衛星がとらえた金星

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽探査衛星パーカー・ソーラー・プローブがとらえた金星です。

2018年8月に打ち上げられたパーカー・ソーラー・プローブは、太陽を周回しながら観測を行っています。パーカー・ソーラー・プローブは合計7回、金星の重力を利用して軌道を変えるフライバイを行い、最終的には太陽表面から600万km以内まで近づくことになっています。

冒頭の画像は2020年7月11日に行われた3回目の金星フライバイの際に約1万2400kmの距離から、パーカー・ソーラー・プローブの広視野撮像装置WISPRで金星の夜側を撮影したものです。2021年2月25日に公開されました。

画像には惑星の縁に沿って、酸素原子が発する大気光とみられる光が映っています。金星の中央付近に暗く広がる領域は、「アフロディテ大陸」と呼ばれる金星最大の高地です。アフロディテ大陸が暗く見えているのは周囲よりも温度が30℃ほど低いためです。

画像右下にはベテルギウスや三つ星など、オリオン座の一部が見えています。画像全体に映る明るい筋は、おそらく荷電粒子や、太陽光を反射した塵などによるものです。

Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Laboratory/Guillermo Stenborg and Brendan Gallagher

(参照)NASA