火星にあるかつての大洪水の跡「オスガ峡谷」

火星のオスガ峡谷の中央部を、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスがとらえた画像です。

オスガ峡谷は、マリネリス峡谷の東端部の南、約170kmのところに位置しています。全長164kmで、場所によって幅20km、深さ900mになるところもあります。

オスガ峡谷は大規模な洪水によって侵食されてできたと考えられています。水は北東方向(画像右下方向)に流れ、最終的に画像下側に見えるカオス地形の領域に流れ込みました。

画像にはいくつかの大きなクレーターも映っています。画像中央下には、埋もれてしまい輪郭だけがうっすらと分かる「ゴーストクレーター」も見られます。

こちらはオスガ峡谷を斜めから見たものです。水は手前から奥に向かって流れていきました。谷底にある溝は、水の流れが速く地形が削り取られたためできたと見られています。水路の間にある中洲のような高台にも小さな溝が刻まれています。

画像はマーズ・エクスプレスの高解像度ステレオカメラで、2013年12月7日に撮影されました。

Image Credit: ESA/DLR/FU Berlin, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA