
この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 6000です。NGC 6000は、さそり座の方向、地球から1億200万光年の距離にあります。
銀河の中央部は黄色みを帯びた色をしており、周囲の銀河円盤は青く輝いています。このような色の違いは、銀河を構成する星々の年齢や質量、温度の違いを反映したものです。銀河の中央部にある星々は比較的古く、小さい傾向があります。小質量星は大質量星よりも低温で色が赤く、一方で高温の星は青く輝きます。NGC 6000の渦状腕には明るい星団があり、そこには青く輝く若い巨大な星々が存在しています。
超新星爆発の現場調査のために撮影
NGC 6000では、2007年と2010年にそれぞれ超新星が発生しました(SN 2007chとSN 2010as)。この画像のデータは、近傍銀河で比較的最近に発生した超新星爆発の現場を調査する目的で収集されました。
画像をよく見ると、画面右側の銀河円盤内に細いすじが4本あるのがわかります。それらは太陽系内にある小惑星がとらえられたものです。
画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、「今週の1枚(Picture of the Week)」として2025年9月29日に公開されました。
(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Filippenko; Acknowledgement: M. H. Özsaraç
(参照)ESA/Hubble