
NASA(アメリカ航空宇宙局)はハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ35周年(2025年4月24日)に向けて、これまでハッブルが撮影してきた画像から、「35 Years of Hubble Images」と題して各年1枚ずつ選んで紹介しています。画像は9年目の画像として紹介されているもので、「南のリング星雲」と呼ばれる惑星状星雲NGC 3132が映っています。南のリング星雲は、ほ座の方向、約2000光年の距離にあります。
太陽程度の質量の恒星は年老いると膨らんで赤色巨星になります。そして時間が経つと星の外層のガスが離れていって宇宙空間に放出されます。中心に残された星の「芯」からの紫外線によって、先に放出されたガスが電離して輝くのが惑星状星雲です。星の「芯」はやがて白色矮星と呼ばれる高密度の天体になります。
南のリング星雲は、知られている中で最も近くにある惑星状星雲の一つです。直径は0.5光年ほどで、秒速14.5kmほどで膨張しています。
南のリング星雲の中心にある星は連星系で、一方の星が白色矮星です。画像には星雲の中央付近に星が二つ見えますが、それらのうちの暗い方が白色矮星です。
(参考)
「35 Years of Hubble Images」記事一覧
ウェッブ望遠鏡がとらえた「南のリング星雲」
Image Credit: The Hubble Heritage Team (STScI/AURA/NASA)