地球をまわる「第2の月」を発見 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

地球をまわる「第2の月」を発見

ハワイ、マウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡で撮影された「第2の月」2020 CD3(画像中央の点)。2020年2月24日に撮影されました。2020 CD3を追跡して望遠鏡が動いているため、背景にある恒星が線状になっています。Image Credit: The international Gemini Observatory/NSF’s National Optical-Infrared Astronomy Research Laboratory/AURA/G. Fedorets

2020 CD3は、2020年2月15日、アメリカのアリゾナ大学月惑星研究所が行うカタリナスカイサーベイで、Kacper Wierzchos氏とTeddy Pruyne氏によって発見されました。その後の観測によって軌道が計算され、2020 CD3が3年ほど前から地球をまわっていることが分かりました。

発見者の1人、Kacper Wierzchos氏は2月26日、2020 CD3について一連のツイートを投稿しました。

このツイートによると発見時の2020 CD3の明るさは20等級とのこと。画像には移動していく2020 CD3が映っています。

2020 CD3の軌道は、3年ほど前に地球の軌道に入ってきたことを示しているそうです。画像はTony Dunn氏によって作成された軌道シミュレーション。

C型小惑星のアルベド(反射率)を仮定すると、天体の直径は1.9〜3.5mになるとのこと。

こちらは、Kacper Wierzchos氏のツイートに登場するTony Dunn氏が2月26日に投稿したツイートです。Kacper Wierzchos氏のツイートでは静止画でしたが、こちらは2020 CD3の軌道のシミュレーションの動画です。

IAU(国際天文学連合)マイナープラネットセンターのサーキュラーによると、既知の人工物へのリンクは発見されていないとのことで、小惑星である可能性が高いとみられます。ただ冒頭の画像を撮影したジェミニ北望遠鏡での観測を率いたGrigori Fedorets氏(クイーンズ大学ベルファストの天文学者)によると、数十年前に打ち上げられた人工物である可能性もあるようです。それが何であるかを判断するには、より多くのデータが必要だとも述べています。

地球に捕らえられた“ミニムーン(微小衛星)”は、2006年にも発見されたことがあります。2006 RH120と仮符号が付けられたその天体は、2006年9月から2007年6月まで地球を周回したのちに地球から遠ざかりました。2020 CD3が自然起源の小惑星であれば、2番目の“ミニムーン”ということになります。ただ2020 CD3も、2020年4月には地球から離れていく可能性があるとみられています。

https://nationalastro.org/news/gemini-telescope-images-minimoon-orbiting-earth-in-color/